園長 金子 智
一年のちょうど半分が終わりました。この半年でどの子も本当に成長しました。私たち職員一同、ますます力を尽くします。
子どもたちも、おじいちゃんおばあちゃんも、みんな笑顔でした。園に笑顔があふれていました。
「○〇の母方のババちゃんで~す。」
「同じく父方のバ~バで~す。」
「○○の、ひ~、バ~バで~す。」
その都度その都度拍手する子どもたちの嬉しそうな顔ったらありませんでした。
おじいちゃん、おばあちゃんと子どもたちの近さを感じました。子どもたちは、おじいちゃん、おばあちゃんとお友達のようにしていましたし、おじいちゃん、おばあちゃんは子どもたちに呼吸を合わせていました。おじいちゃん、おばあちゃんと過ごす子どもたちはいつもよりしっとり落ち着いていました。
「お友達と仲良くするんだよ。」
「先生の言うことをよく聞くんだよ。」
「ありがとうって言うんだよ。」
子どもたちに物事を説いて聞かせる適任者です。
孫あやしの上手なこと上手なこと。ちっとも力みがなくて、子どもたちにぴったり合っていて、どの子もご機嫌でした。
つくづくおじいちゃん、おばあちゃんの存在の大きさを思いました。
運動会を間近にひかえた日のことです。
「ひかり」クラスの子どもたちが「かぜ」クラスの運動会種目の手伝いをしていました。網くぐりの網を張り、マットの位置を整えていました。お手伝いが嬉しくてならないのです。きびきび、生き生きしていました。先生の、
「ひかりさん、本当にありがとう。助かったよ。」
に、年長さんとして「お兄さんお姉さん意識」を
高め満足げに微笑む子どもたちでした。
運動会の練習が終わり後片付けが始まると、「ひかり」クラスの子どもたちは、自分のやれることを探していました。グリーンのマットを見つけた子が、「よし、このマットはぼくが運ぶぞ」と言わんばかりに勇んでマットに駆け寄り、マットを引っ張って、階段下のマット置き場に向かいました。
マット置き場には、前に運ばれたブルーのマットが無造作に入っています。先ずそれを引き出して、二つ折りに畳み直して収め、それから自分が運んできたマットをその上に重ねました。その動作に感心して見とれました。
「かぜ」クラスの運動会種目練習のお手伝いが、この姿をもたらしたのだと思います。お手伝いを頼まれることは「頼りにされる」ことです。「認められる」ことです。お手伝いをして自尊心を高めたのだと思います。
あと半年で小学1年生、そんな自覚も芽生え「ひかり」クラスさんは、また一つ大人になりました。
清澄な秋風に ススキがゆれています。