子ども達が「えんちょ、せんせ。」「えんちょ、せんせ。」と声をかけてくれます。「はい。」「はい。」と返事する度に元気になります。
玄関に上着が忘れられていました。タグにひらがなで名前が書いてありました。上着をもって、この子のお部屋に行って、名前を呼んで、
「これ、玄関に忘れていたよ。」
と言うとこの子、「あっ、わたしのだ。」小走りでとやってきて、
「ありがとう。」
と受け取りました。とっても自然な「ありがとう。」でした。身に付いている「ありがとう。」でした。
嬉しい一言でした。「そうだ!このことをお母さんに教えてあげよう。」と思いました。
降園の時間になりこの子をバスに乗せ出発しました。今朝の出来事を聞いて喜ぶお母さんの顔が浮かびました。お母さんの顔を楽しみに運転しました。やがてこの子のお家の前に着きました。
この子を抱き受けたお母さんに、バスの運転席から体をねじるようにしてドアの方に向けて、
「お母さん。今朝お子さんが玄関に上着を忘れたんです。それをお部屋に届けたら『ありがとう。』と言ってくれました。嬉しかったです。お子さん『ありがとう。』が身に付いていますね。」
とお伝えしました。お母さん、
「そうですか。そうですか。」
とそれはそれは喜ばれました。伝えた私ももう一回嬉しくなりました。いい気持ちになりました。この子の「ありがとう。」のおかげでした。
お天気のよい日でした。「ことりクラス」の子ども達が中条駅の西口の公園にお散歩にいきました。行きは歩きで帰りはバスの計画でした。
迎えの時刻より少々早めに迎えに行きました。バスを駐車スペースに止めるとバスを認めた子ども達がバスに向かって「まっていたよ~。」とばかり手を振り小走りでやってきました。迎えの時刻を打ち合わせているとき担任が「子ども達バスに乗りたがっているので帰りは少々遠回りしてください。」と言ったので帰りは少々遠回りしました。西口の公園を出て、跨線橋を渡って国道に出て、それから警察前を通って帰ってきました。
園に着くと子ども達が口々に、
「園長先生、ありがとう。」
「園長先生、ありがとう。」
とバスを降りました。子どもたちの「園長先生、ありがとう。」には「楽しかったよ。園長先生。」「うれしかったよ。園長先生。」が込められていました。嬉しい気持ちになりました。
「ありがとう。」は聞く人を嬉しくする言葉です。ですから、例えば仕事で帰宅が予定より遅れてお子さんを待たせた場面で、
「待っていてくれてありがとう。ちゃんとお仕事できたよ。ありがとう。」
とお子さんに感謝する方が、
「待たせてごめんね。お仕事が終わらなかったの。ごめんね。」
と謝るよりもいいように思います。
稲が風にゆれ田んぼが今年の仕事を始めました。