園長 金子 智
1月末、強い寒波が到来し、園の玄関の鍵穴は氷つきましたが、子どもたちはサラサラ粉雪を思う存分楽しんでいました。
1月15日夕方のことです。1号バスが故障しました。電話でこのことをお家の人に説明し、「明日の朝は送ってきてください。」とお願いしました。どのお家の方も快く了解くださいました。
「じゃあ明日は、仕事に行く前に送って行くことにしよう。その分家を早く出よう。」と段取りつけてくださった方もおられたと思います。
職場に「園バスが故障したとの連絡がありました。明日送ってから出勤しますので少々遅れると思います。よろしくお願いします。」と連絡くださった方もおられたと思います。
バスが故障したことを知って、「それなら私が送っていくよ」と買って出てくださったおじいさんおばあさんもおられたと思います。
本当にありがとうございました。
「おはようございます。今日は送ってきていただき、ありがとうございます。」
玄関で登園を出迎えた職員に、
「いえいえちっとも、ちっとも。」
「バスの故障、大変でしたね。」
「こういうこともありますよねぇ。」
「たまには送ってくるのもいいですね。」
「この子、いつもより早起きしたんですよ。」
お家の方の温かい言葉が何度も何度も玄関から聞こえてきました。ありがたく聞きました。
ぷれすぽ体育館で遊びました。
(ひよこクラス、ことリクラス)
「園長先生、これ、困っている人のために使ってください。」
ドラえもんの募金箱を差し出した子がいました。募金箱には赤い羽根がつけられていました。箱は一杯でした。ずっしりと重く、よくぞここまで貯めたものだと感心しました。
「ありがとう。困っている人にちゃんと届けるよ。ありがとうね。」
「お願いします。」
晴れやかな顔をして部屋を出ていきました。
ボール紙制の募金箱はビニールテープで補強されていました。補強しなければこれだけの重さに耐えることはできません。幾度も幾度もお金を入れるこの子の姿が見えるようでした。
お母さんの手紙も添えられていました。
「秋、この募金箱を持ち帰った日に、『これなにする箱?』と聞かれ、『この箱は募金箱と言ってね。』と募金の意味を教えました。『私、いっぱいになるまで貯めて園長先生にもっていきたい。』と言い出し、私たち夫婦とても驚きました。『だんだん重くなってきたね。』、『今どのくらいまで貯まったかな。』日々会話し、家族3人で楽しみながら取り組むことができました。最後まで頑張り抜いた我が子を誇りに思います。」と。
「幸せ」を見たように思いました。
このような出来事が生まれるには、生まれるだけの「温かさ」がなければなりません。急ぎ福祉協議会に届けました。「まぁ、こんなに箱一杯になるまで、園児さんが。」感心しておられました。