2018年12月15日土曜日

園長便り「大事に大事に」2018年12月15日号

「心つなげる」努力を
                            園長 金子 智

礼拝でクリスマスツリーに飾る「星」「鈴」「杖」「玉」の意味を話しました。お話を思い出しながらみんなでクリスマスツリーを飾りました。

  月曜日の朝の一番仕事に、週末に配達された郵便物の受付けをします。この日はいつもよりずっと多く配達されていました。報告を要する文書もあります。提出期限を遅れては大変です。提出期限を確認しその都度予定表に記入しながら文書の受付けをしていました。

「わ~っ、わ~っ。」
背中に声がかかりました。ふり向くと顔をサッと引っ込めました。
「誰だ、誰だ。」
無反応です。「これはやり取りを楽しもうという事だな。」と思いました。受付け作業を始めるとまた、
「わ~っ、わ~っ。」
背中に声がかかります。ふり向くと顔をサッと引っ込めます。でも今度は、顔をぬっと出して、
「ね、園長先生。今集中しているの?」と。
「している、している。間違うといけないからね。」
「わかった。」
そういうと踵を返して部屋に向かって行きました。

 開封して文書に目を通し、提出期限にマーカーを引き、受付印を押す動作から「集中している」と判断し、それと知ると「わかった。」と取るべき行動を取ったのです。こうやって私を大事にしてくれました。「この子と心つながった」と思いました。大人になったなぁと思いました。

朝ホールの床にうつぶせになった職員の背中に子どもが馬乗りになってピョンピョン跳ねていました。見ている子どもたちが声をかけています。その声に職員が応答します。聞き取れませんが子どもたちと職員がつながっていて「いいなぁ、いいなぁ」と思いました。小原國芳著「贈る言葉」にあった文章を思い出し再度読みました。

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水車のように
 子どもの精神生活を知るには第一何より、共に遊ぶことです。生活することです。しかつめらしいところにはウソが生じます。「人は遊ぶときのみまさしく人間である」とシラーは申しました。運動場に、山に、川に、ボートに、休み時間に、ピクニックに、旅行に、かかる時に ホントに心の接触ができます。
 教師は水車だと思います。半分、生徒の中に入らねばダメです。共に山に登り、共に寝、共に食べる中にホントの心が通います。
 日暮れて山中に道迷ったとき、共に手を取り合って道を探すとき、心と心が通います。かかる先生と生徒の間に反抗なぞが起ころうハズもありませぬ。
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繰り返し読むうちに「これは教師論に託した『人は心と心がつながるようにすることが大事なのだ』とのメッセージだ」と思いました。「人を大事にする」とは「心つなげる」ことだと思います。「心つなげる」努力をすることだと思います。

  葉を落とした木が真綿の雪を待っています。

2018年11月15日木曜日

園長便り「大事に大事に」2018年11月15日号「感謝して ますます力を尽くします


「感謝して ますます力を尽くします」          園長 金子 智



冬に備え葉を落とした桜の木が枝ぶりを誇っているようです。遠く飯豊の山々も白くなってきました。

 11月10日、11日の「作品展」に大勢の皆様が来園くださり、子どもたちの作品を褒めてくださいました。本当にありがとうございました。 

お子さんの手を引いたお母さんが職員と、「上手に描けるんですね~、家ではあんまり描かないんですよ。どうやって描かせてくださったんですか。」
「お友達とおしゃべりしているうちに、イメージが広がるんですね。『これなあに、あれなあに。』と聞くんです。そうすると『これはね、あれはね。』と教えてくれるんです。そうやって言葉にしながらイメージを膨らませていくんです。」
「上手に描けたね~。えらい えらい。」お母さん、この子の頭をなでました。
「これ、ぼくがつくったんだよ。」この子のつくったトンボをじっくり眺めたていたお母さん2人、
「ねぇ、見て見て、ほらちゃんと足が6本あるよ。」
「ほんとだぁ、すご~い。よく見ているんだねぇ。えら~い。びっくりしちゃった。」

 あっちでも こっちでも作品に心寄せ、感嘆の声をあげておられる姿がありました。作品は子どもたちの分身です。子どもたちにとって作品が褒められることは自分が褒められることなのです。

作品展に来てくれた卒園生に、「小学校は楽しいですか。」たずねるとどの子も、「はい、楽しいです。」と。安心しました。

 お家の方も、「伸び伸びと学校生活を送っているようです。これもこども園でよくしてくださったおかげです。」嬉しそうに聞かせてくださいました。

 運動会に学習発表会に、卒園生の頑張りぶり耳に届きます。本当にありがたく嬉しいことです。

 私たちは、「担任であったり、調理であったり、事務であったり、バス運転であったり、支援センター運営であったり、管理であったり、それぞれ仕事の内容こそ異なれ、どれもこども園、支援センターの保育教育になくてはならないものであるという点で全く同じである」という考えにしっかりと立っています。その上で合言葉を実行し、「ほらできた、できることを増やしたね。おめでとう。」と導いています。聖心こども園の教育理念に「すべての子どもをありのまま受け入れ、心から愛する」と謳い実行すべく力を尽くしています。

 お母さんの「こども園でよくしてくださったおかげです。」のお言葉に、耳に届く卒園生の頑張りぶりに励まされます。勇気付けられます。

 その時々に、今どうすることが合言葉を実行することになるのか、こども園の教育理念を実現することになるのかを考えそのようにしていきます。

感謝して ますます力を尽くします。 

     紅の山茶花に 心和みます。

2018年11月1日木曜日

11/1給食

園長便り「大事に大事に」2018年11月1日

かけがえのない 一人ひとり
                            園長 金子 智


3日の土曜日にバザーを行います。今後も末永く継続できるように内容を見直しての実施です。どなたもお越しください。お待ちしています。

 出張に向かう道中、紅葉のトンネルをくぐりました。色づいた葉が青空に映えて見事でした。色づいた一枚一枚の葉、同じものの二つとありません。この葉はこれだけです。そう思ったらなお美しく見えました。
 山肌の見事な紅葉に見とれます。一本一本の木々の紅葉が鮮やかで輪郭が鮮明です。同じものの二つとありません。みんな違います。みんな違うのですが、山肌全体として調和の保たれた美しさを造り出しています。

 春、子どもたちにヒメオドリコソウを見せて、
「これ、ヒメオドリコソウというんだよ。園の庭にもたくさん生えています。でも、このヒメオドリコソウと葉っぱの大きさから、背の高さから、何から何までみんな同じものはないんだよ。胎内市中探したってないんだよ。日本中探したって、世界中探したってないんだよ。ずっと昔から今日までだってないんだよ。これからずっとずっと先までだってないんだよ。このヒメオドリコソウはこのヒメオドリコソウだけなんだよ。
 この園長先生もこの園長先生だけ。みんな一人ひとりも、みんな一人ひとりだけ。自分は自分だけなんだよ。他にはないんだよ。だから大事なんだよ。とってもとっても大事なんだよ。」と
話したことを思い出しました。次の2つの詩も思い浮かびました。


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 わたしと ことりと すずと
                金子みすず

   わたしが両手をひろげても、
   お空はちっともとべないが、
   とべる小鳥はわたしのように、
   じべた(地面)をはやくは走れない。

   わたしがからだをゆすっても、
   きれいな音はでないけど、
   あの鳴るすずはわたしのように
   たくさんのうたは知らないよ。

   すずと、小鳥と、それからわたし、
   みんなちがって、みんないい。

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        明日
                安積得也
   はきだめに えんど豆咲き 
   泥池から蓮の花が育つ
   人皆に 美しき種子(たね)あり
   明日 何が咲くか

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安心して園生活を楽しむ子どもを見ていると「みんなちがって、みんないい」、「そうだよなぁ」と思います。目を見張るごとくできることを増やしていく子どもを見ていると「人皆に 美しき種子(たね)あり 明日 何が咲くか」、「その通りだ」と思います。 「かけがえのない一人ひとりを大事に大事に育てていかなければ」と思います。

  赤く熟した柿の実が 秋の深まりを告げています。